日本と中国の関係は、台湾有事は「存立危機事態になり得る」とした高市早苗首相の昨年11月の国会答弁後に極めて悪化した。両国の関係はこれからどうなるのか。北京に駐在し、日本の対中外交の最前線を担う金杉憲治・駐中国大使が語る日中関係の重要性と、関係改善に向けた決意とは…。(聞き手・共同通信中国総局長=芹田晋一郎)

 ▽ウィンウィンの関係は可能

 ―現在の日中関係の概況について教えてください。

 日本と中国は長い歴史がある隣国同士です。経済でも人的な部分でも、文化面でも地方間交流でも、本当に多層的な交流が長年にわたって行われてきています。

 特に経済面で言えば、1万社を超える日系企業が3万を超える拠点で活動していて、人数が減ったとはいえ10万人弱の在留邦人が、ここで生活して活動しているということはすごく大きいことです。それが故に、中国は日本にとって第1の貿易相手国で、中国にとっても今でも日本は第3の貿易相手国です。

 ―中国は不動産不況などを背景に内需が低迷して輸入が伸び悩んでいる一方で、輸出は堅調で貿易黒字が拡大していま...