JR伯備線武庫駅開業に関する石碑を下見する佐々木彬夫会長=鳥取県江府町武庫
JR伯備線武庫駅開業に関する石碑を下見する佐々木彬夫会長=鳥取県江府町武庫

 鳥取県日野郡(日南、日野、江府3町)にあるJR伯備線の7駅を対象に、地元の奥日野ガイド倶楽部(くらぶ)が今秋、5年かけ列車利用を促す「歴史探訪ライド&ウオーク」を始める。今夏に開業60周年を迎えた武庫駅(江府町)を皮切りに、2022~25年に100周年になる6駅でも開業日に合わせて実施。関係者は「地域を支える鉄路に目を向け、次世代に残す運動の呼び水にしたい」と話す。
 実施の背景に、全国で相次ぐ赤字ローカル線の廃止がある。JR西日本管内でも三江線が18年3月末で88年の歴史を閉じ、利用者低迷の木次線や芸備線では先行きが懸念されている。
 旧日本鉄道建設公団の職員だった倶楽部の佐々木彬夫会長(76)は「利用促進が存続の鍵。伯備線も例外でない」と強調。江尾駅(江府町)、根雨駅(日野町)、黒坂駅(同)が開業100年になる22年を見据え、JR米子支社に協力要請するなど準備を進めてきた。
 ライド&ウオークは、参加者が行き帰りを列車利用。現地では駅開業にまつわる苦労話を地元住民から聞く。駅周辺に点在する史跡、旧跡も訪ね、隠れた地域資源の魅力に接する。
 今月17日に行う武庫駅では、駅開設を働き掛けた地元の神奈川地区住民が、共有財産の木材を売って開業資金に充てた秘話を紹介。ホームの端に建立された石碑の由来に思いをはせるほか、戦国時代の悲恋伝説にまつわるシラガシの古木「七色(なないろ)樫(がし)」や神社仏閣を巡る。
 定員20人、参加費2千円。問い合わせは奥日野ガイド倶楽部事務局、電話0859(72)1350。
 佐々木会長は「駅舎には地域住民の熱い思いが詰まっている。郡内3町が一体となり、鉄路の未来を考える機運を醸成したい」と意気込む。
(山根行雄)