中庭が見渡せる院内(提供)
中庭が見渡せる院内(提供)
まつえ城下町レディースクリニックの原田敦院長=松江市殿町
まつえ城下町レディースクリニックの原田敦院長=松江市殿町
中庭が見渡せる院内(提供) まつえ城下町レディースクリニックの原田敦院長=松江市殿町

 今月は乳がんの早期発見・治療を啓発する「ピンクリボン月間」。今年5月、松江市内で初の乳腺外科を専門とする「まつえ城下町レディースクリニック」(松江市殿町)を開業した、原田敦院長(46)=乳腺、大腸肛門病専門医=に話を聞いた。 (大迫由佳理)

 ―開業の経緯は

 「近畿大医学部卒業後の3年目に島根県立中央病院に研修医として派遣されたのが最初の縁。その後、各地の大学病院や中核病院で経験を積んだ。地域医療に貢献したいと思い、住み心地の良さに魅せられた妻の地元でもある島根に、大阪からIターンすることを決めた。総合病院は受診しにくいという女性にとって、より身近な存在になれると思う」

 ―クリニックの特徴は

 「女性にとってデリケートな乳房や痔(じ)などの心配事に寄り添うため、診療放射線技師をはじめスタッフは全員女性。個室の更衣室や中庭が見える白色を基調とした診療室など気軽に来てもらえる雰囲気を大事にしている。安心感が定期検診に結び付き受診率の向上につながればいい。検診機器は多方向から撮影し、複数のデータを立体的(3D)に再構成して表示する乳房エックス線撮影(マンモグラフィー)に3D超音波と最新の機器をそろえている」

 ―充実した乳腺が多いためにマンモグラフィーが白っぽく映る「高濃度乳腺(デンスブレスト)」の女性が日本人には多い

 「授乳経験のない人や若い人に多いが、病気ではないので心配はいらない。ただ、国が推奨するマンモグラフィー単独の検診は、白いかたまりとして映る乳がんが乳腺で見えづらく、見落とされやすい。それを補うために、超音波検査(エコー)との併用検診をすることが望ましい。併用で、がんの発見率が1・5倍になるという報告もある」

 ―乳がん検診受診率(2019年)は、全国平均が47・4%で、島根県は43・7%と下回った

 「がんが見つかるのが怖い、と言う人がいるが、早期発見の早さが治癒率を高める鍵。特に島根県は乳がんで亡くなる女性が全国と比べて多く、早期発見ができていないことが背景にある。患者数は多いが死亡率は低いという近年のデータからも、早く見つかれば治りやすい病気と言える」

 ―乳がん患者は40~50代に多いが、20~30代でも発症することがある

 「仕事や子育てで忙しいと自分のことは後回しにしがちだが、乳がんは女性の9人に1人がかかる。まずは身近な病気という自覚を持つことが大切。特に40歳以上や母親、姉妹など2親等以内に乳がん患者がいる人は注意が必要だ」

■17日「マンモグラフィーサンデー」 島根4病院が参加

 子育てや介護、仕事で忙しい女性のために、日曜日に乳がん検査を受けることができる「ジャパン・マンモグラフィーサンデー」(認定NPO法人J・POSH企画)が17日、全国一斉に開かれる。島根県内では、まつえ城下町レディースクリニック(松江市殿町)や済生会江津総合病院(江津市江津町)など4病院が参加する。事前の予約が必要。

 17日はすでに定員に達した機関があるが、平日や土曜日にも検診を受け付けている。その場合、時間などに変更がある。