自主制作した映画「イルティッシュ号」に込めた思いを語る村上英明さん(右)=江津市和木町、和木地域コミュティ交流センター
自主制作した映画「イルティッシュ号」に込めた思いを語る村上英明さん(右)=江津市和木町、和木地域コミュティ交流センター

 日露戦争中、江津市和木町沖で沈没したロシアの輸送船「イルティッシュ号」の船員を地元住民が救った歴史を語り継ごうと、和木地域コミュニティー交流センター(江津市和木町)で17日、ロシア祭りがあった。住民が撮影したゆかりの映画の上映会などがあり、約30人が敵兵を助けた先人の勇気や人類愛に思いをはせた。

 江津市都野津町の会社員村上英明さん(79)が2020年、古い文献や伝承を基に、映画「イルティッシュ号」(11分)を自主制作した。地元住民らが出演し、1905年に対馬沖の日本海海戦で被弾し、和木町沖で沈没した船から200人以上の乗員を救出した史実を紹介する。

 村上さんは「救出の裏には、日本人の穏やかで優しい心があった。誹謗(ひぼう)中傷によって人が亡くなる現代に昔の人の心を伝えたい」と語った。動画投稿サイトのユーチューブでも公開している。

 ふるさと学習の一環でイ号の歴史を学ぶ市立高角小学校(同市嘉久志町)の児童が、救出物語を読み上げる映像も流した。祭りの実行委員会の野田久雄委員長は「地域の歴史を次の時代につなげるため、祭りを継続したい」と語った。