噴煙を上げる熊本県・阿蘇山の中岳=20日午後1時8分(共同通信社ヘリから)
噴煙を上げる熊本県・阿蘇山の中岳=20日午後1時8分(共同通信社ヘリから)

 気象庁は20日、熊本県の阿蘇山の中岳(1506メートル)の第1火口で午前11時43分に噴火が発生したと発表した。噴火に伴う火砕流が火口の西約1・3キロに達した。火砕流は2016年10月以来。噴煙は火口縁上約3500メートルまで上がり、東方向へ流れた。火山活動が高まっており、火口からおおむね2キロの範囲で引き続き噴石や火砕流に注意するよう呼び掛けた。県によると当時、中岳付近に登山者16人がいたが全員下山し、けがはないという。

 気象庁によると、大きな噴石が南方向に約900メートル飛散した。噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から3(入山規制)に引き上げ、周辺自治体と警察でつくる「阿蘇火山防災会議協議会」は約2キロ圏の立ち入りを規制した。政府は首相官邸に情報連絡室を設けた。

 午後0時44分から同2時10分にかけてもごく小規模な噴火が起きた。降灰は熊本県高森、山都両町、宮崎県五ケ瀬、高千穂両町で確認された。

 火口から西約3キロの阿蘇火山博物館では数十人が建物内に避難したが、警察官の誘導で安全な場所に移動した。火口の北東約4キロにある国立阿蘇青少年交流の家の古庄宏光事業支援室長(55)は「ドンドンという大きな音に驚き窓の外を見ると、中岳付近が真っ暗になるほどの黒い噴煙が立ち上っていた。普段見ないほどの大きさに恐怖を感じた」と話した。

 阿蘇山の噴火警戒レベルは13日に1(活火山であることに留意)から2に引き上げられ、14日午前4時43分ごろに小規模な噴火が発生。噴火は昨年6月15日以来だった。

 

予想された規模

 石原和弘・京都大名誉教授(火山物理学)の話 気象庁は既に阿蘇山の噴火警戒レベルを2に引き上げており、予想された規模の噴火だった。過去にも時々爆発的な噴火が起きており、最近では2015年前後にも大きな噴火があった。今回は火砕流が1キロ程度に達しており(最近では)大規模と言える。今後数日から1週間程度は警戒が必要だ。火山性微動や火山性の地震が増加した場合はさらなる噴火に注意する必要がある。