国崎 信江氏
国崎 信江氏

命を救う~身近な防災の心得

 コロナ対策 最大限に

 山陰中央新報社の島根政経懇話会と米子境港政経クラブの定例会が23、24の両日、松江市と米子市でそれぞれ開かれた。危機管理教育研究所(東京)の国崎信江代表(50)が「命を救う~身近な防災の心得」と題して講演した。新型コロナウイルス感染症へのリスク管理や災害の対応について「常に最悪の事態を想定した備えが必要だ」と訴えた。要旨は次の通り。

 新型コロナ対策のポイントは事前のリスク管理だ。仮に感染した場合、行った場所、会った人といった2週間以内の行動の詳細を必ず尋ねられる。社員と家族の外出時の行動を記録するよう依頼するとよい。行動記録は、企業として社会に対策をアピールすることができる。それが会社を守ることにもつながる。また、感染者が出ないうちに財務状況や事業への影響度を分析し、最大限の対策を講じることが重要だ。

 2018年、19年と連続して台風の大きな被害があった。今後、日本で災害が減るとは考えにくく、同様の自然災害は増えていくだろう。過去の台風通過時に社員は休み、アルバイトは働かせるといった待遇の差が問題になる企業があった。今年の台風シーズンまでには安全配慮義務の観点から、災害時の対応基準を考えておくべきだ。

 防災訓練に対する企業、社員のモチベーションがとにかく低い。全国どこの企業でも地震の発生に続く火災発生、通報、避難という訓練の想定がマンネリ化している。科学的な知見から、災害に耐えうる実践的な訓練となっているかどうか、疑問だ。日本全国で起きている災害が山陰で起きないという保証はない。まずは具体的かつ効果的な防災訓練を実施して、事前の意識を高めてほしい。