【ワシントン共同】米製薬大手ファイザーは22日までに、同社製の新型コロナウイルスワクチンの2回接種により、5~11歳の子どもの発症が90・7%抑えられるとする臨床試験結果をまとめた。食品医薬品局(FDA)の外部有識者委員会は26日、この年齢層に対する使用の可否を検討する。米メディアは11月にも接種が始まる可能性があると伝えた。

 米国内の5~11歳の人口は約2800万人。政府は学校での集団感染や無症状のまま周囲に広げる事態を避けようと、ワクチン緊急使用許可を見越して接種体制の整備を進めている。

 臨床試験結果は、外部有識者委員会の資料として公表された。ワクチン接種を受けた約1300人のうち3人、偽薬を投与された600人余りのうち16人が発症した。重症者はいなかった。米国で感染力の強いデルタ株が主流だった8、9月に発症者が集中していた。

 ワクチン接種を受けたグループでは、接種翌日にかけて腕の痛みや疲労感、頭痛などがみられたが、早期に消えたという。用量が12歳以上の3分の1と少ないことから、短期的には安全性に懸念はないとみている。若い世代でまれに起きる心筋炎も報告されなかった。