東京都豊島区の池袋保健所で30日、住民票がない路上生活者(ホームレス)らへの新型コロナウイルスワクチンの集団接種が実施された。支援団体が炊き出し会場などで予約を募った。副反応への相談も受ける。区担当者は「情報が届きにくい人へアプローチし、希望者が接種できる機会を設けていきたい」と話した。
午後6時、近くの公園には予約者が列を作り、問診票を記入してから保健所へ移動、70人以上が順次注射を受けた。支援団体「世界の医療団」(東京)が副反応に備えて解熱剤を配布。翌31日には、近くに相談場所を設けて対応する。
別の自治体で住民票がないため接種を断られたことがあるインターネットカフェ暮らしのアルバイトの男性(61)は「もう駄目だと思っていたので、受けられてうれしい」と安堵(あんど)していた。