島根県が15日、漁業協同組合JFしまねが12日に開いた臨時総代会の議事進行に関し、水産業協同組合法に基づく報告を求めた。報道に基づくと、岸宏会長ら現行役員の解任が議題になっているのに、岸会長が議事進行に関与しているのは組合規約に違反している可能性があるとみている。丸山達也知事は、出張先の東京都内で取材に「大事な会議がきちんと運営できない組織であると(すれば)深刻だ」と述べ、法律違反に該当する部分があれば、解散命令も視野に対応を検討する考えを示した。

 一部組合員の請求に基づき、岸会長ら役員20人の解任が議題になった12日の臨時総代会は、120人の総代のうち、71人が記名式で書面による事前投票をしたため欠席。出席49人のうち40人が、書面による投票開封の際に立会人を付けていないことなど、運営に疑問があるとして途中退席した。議案は賛成少数で否決された。

 県は、賛否の数を含めた決議の結果▽決議方法▽議事進行|の3点について19日までの詳細な報告を求めた。このうち議事進行に関しては、進行役として議長を務めた総代がいるが、これとは別に岸会長が議事進行に関わる発言をしていることが、テレビ報道からうかがえるとして問題視している。

 丸山知事が言及した水産業協同組合法に基づく解散命令は、組合が法令に違反した場合に適用できる。解散した場合、漁業者への影響は大きく、水産庁によると水協法上、最も重い処分という。丸山知事は「(解散命令は)避けるべきだと思っていたが、この状況では視野に入れて、躊躇(ちゅうちょ)せずにやらないといけないと思う」と話した。

  (曽田元気、白築昂)