枝の一部が朽ちるなど立ち枯れの危機にある七色ガシ=鳥取県江府町武庫
枝の一部が朽ちるなど立ち枯れの危機にある七色ガシ=鳥取県江府町武庫

 季節ごとに葉の色を変え、鳥取県の天然記念物に指定されている江府町武庫の「七色ガシ」が、枝の一部が朽ちるなど立ち枯れの危機にひんしている。町教育委員会は急きょ、対策費約210万円を2021年度一般会計補正予算案に計上。8日開会の12月定例町議会に提案する一方、長期的な保護活動に必要な資金400万円を捻出するため、クラウドファンディングで寄付を募る。
 七色ガシは、武庫地区にある旧明倫小学校裏の私有林に立つシラカシの大木。樹高約20メートル、幹回り2・4メートルで、樹齢は300年を超す。県名木百選の一つ。
 田植え期から翌春にかけて陽光に映える葉の色が赤紫、黄色、黄緑、緑、青緑など7色に変化。大蛇が巻き付き、天に昇ったという由来から別名「蛇(ジャ)ガシ」とも呼ばれ、枝を切ると血が流れ、幹を傷つけると災難に遭うと言い伝えられている。
 町内の文化財を巡回していた関係者が葉の色の異変に気付き、町教委に連絡。日本樹木医会県支部所属の専門家3人が現地診断したところ、根回りの土壌が風化した影響で養分吸収の根が幹に巻き付き、朽ちた枝も確認されるなど深刻な状態にあることが分かった。
 町教委は予算案に盛り込んだ対策費で土壌の土留めや枯れた枝の伐採、七色ガシを覆うようになった周囲の雑木除去などの作業を年度内に実施。長期的な保護活動が必要になるため、「地域のシンボル七色ガシを救うプロジェクト」を立ち上げ、今月10日にクラウドファンディングを始める。
 町教委教育課の加藤邦樹課長は「現状のままでは手遅れになる。変幻自在な美しさに魅了され、県内外から訪れる人もおり、地域の宝を守るため、一日も早く回復させたい」と話した。
(山根行雄)