出荷枚数の落ち込みが続く石州瓦の復権に向け、石州瓦工業組合(江津市嘉久志町)が若手デザイナーと協力し、ブランドの再構築に動きだした。ホームページを刷新し、東京都内のカフェ兼ギャラリーで展示会を開くなど女性をターゲットにしたPRを展開する。
1月中旬、東京・代々木上原駅近くのカフェ兼ギャラリー「などや」に石州瓦の屋根瓦やタイル、食器が並んだ。女性に人気の飲食店やカフェ、ショップなどが点在するエリアで、来場者も女性が多かった。
出品した亀谷窯業(浜田市長沢町)の亀谷典生社長(51)は「実際に触れてもらう重要性を改めて感じた。そもそも瓦のことを知らない、接点がない人に実物を見てもらうところから始めないといけない」と話す。
一緒に店頭に立ったのはデザイン事務所シーラカンス食堂の小林新也さん(34)。大田市温泉津町と兵庫県小野市に二地域居住し、すり鉢などを製造する江津市の元重製陶所のデザイン刷新などにも携わってきた。
強靱(きょうじん)さを売りとする石州瓦だが、金属屋根の台頭などで2013年度に6594万枚だった組合の出荷枚数は20年度に2355万枚まで落ち込んでいる。低迷打開のためには新しい視点が必要と、組合は小林さんにプロデュースを打診した。
昨年、組合加盟メーカーの関係者が集まり、意見交換をしたところ、共通の課題に挙がったのが「ターゲットの明確化」だった。家を新築する際、妻(女性)の好みやこだわりが多分に反映されることが多いことを踏まえ、30代女性を主要ターゲットに設定。石州瓦の「現代化」を模索していくことで一致した。
手始めに組合ホームページを刷新し、加盟社の製品や工場の紹介動画を新たに掲載した。パンフレットも近くリニューアルする。小林さんは「美容、アロマ、コーヒーなどに関する製品を瓦素材で作り、それをきっかけに本来の瓦に関心を持ってもらうことにつなげたい」と展望する。
組合の木村博紀理事長(66)は「売り方や見せ方を変えるだけでは産地の活性化にはつながらない。メーカーが生き残りを懸けて新製品開発に取り組む覚悟を示したい」と力を込めた。
(白築昂)














