石州瓦メーカーの(株)シバオ(大田市水上町、芝尾宜秀社長)が製造工程での廃棄瓦の発生を抑制するため、原料の粘土に近赤外線を照射し、水分率を常時計測する装置を開発した。天候や季節によって変化する粘土水分率を適切な値に保ち、瓦の変形を防ぐのに役立てる。従来のサンプル検査と比べて効率性がアップし、品質向上や増産にもつなげる。
装置は、コンベヤーに流れる大きさがふぞろいの粘土をロータリー型の破砕機でつぶして厚さ7センチ程度と平らにした後、近赤外線を照射し、水分率に応じて変化する光の吸収量で測定する。農作物の水分や糖分を対象にした測定技術を応用した。
従来は1日4回程度のサンプル検査だったが、新装置では2秒に1回計測し、データ集積も可能。同社は生産量全体の約0・9%に当たる年間215トン(瓦換算7万6800枚)の廃棄瓦の発生を抑える。
同社が瓦製造に用いる粘土は水分率16・5%が基準。数値が異なる水分率では変形が起きやすくなったり、金型から瓦が離れにくくなったり、周辺が裂けたりして不良品が発生するため、品質管理に水分率の把握は不可欠だ。しかし、サンプルを無作為に採取して熱風で乾燥させながら計測していたため、1回当たり20分ほどかかり、水分率制御の課題だった。
粘土水分率は通常の瓦よりも軽量瓦の方が品質への影響が大きい。同社は通常の瓦よりも25%程度軽い軽量瓦を年間10万枚生産しており、22年初めにも増産を計画。技術開発を主導した製造部の福間正治・技術開発推進員は「瓦の品質と歩留まりの向上に不可欠な技術。廃棄瓦を減らし、軽くて地震に強い瓦を広めるきっかけにしたい」と話した。
(山陰経済ウイークリー5月25日号より)













