「寒くなってきたけど大丈夫?」。高齢の女性宅を訪れた医師の田上佑輔(41)がベッド脇にかがみ、相手の目を見詰めながら聴診器を当てた。

 東大病院を辞め、田園風景が広がる人口約8万人の宮城県登米(とめ)市に「やまと在宅診療所」を開いたのは2013年。週前半は軽乗用車で看護師らと1日約10軒を診察して回る。後半は妻子のいる東京に戻り、首都圏の診療所で仕事をする。

 田上は都会と...