「新自由主義は限界に突き当たった」「今後政府の役割が拡大する」―。経団連の十倉雅和会長(71)=住友化学会長=は昨年6月の就任以来、自由競争、規制緩和を最優先する新自由主義からの脱却を強く訴え続けている。伝統的に経済活動の自由を求め、政府の介入を嫌う企業関係者の間では、違和感や反発の声も少なくない。

 福祉国家を批判

 十倉氏が新自由主義に異議を唱えるのは、弱肉強食の自...