【出雲】荒神谷博物館(出雲市斐川町神庭)が、幕末から昭和30年代ごろまで斐川地域で使われていた農機具を展示している=写真。泥の跳ね上がりを防ぐ工夫がされた鍬(くわ)など20点が、湿田地帯の農耕の実態を伝える。4月11日まで。無料。
田植えが始まるのを前に、かつての稲作の様子を知ってもらおうと企画。斐川文化会館の郷土資料室が収蔵する島根県指定有形民俗文化財を集めた。
斐川地域では1960年代ごろまで冬季に水田に畝をつくり肥料となる唐草を植え、整地してから稲を育てる高畦(たむぎ)栽培が行われていた。泥を防ぐ竹製の鍬笠(くわがさ)が付いた畝をつくる際に使う窓鍬や、牛に引かせて田んぼの荒起こしをする大床犂(おおとこすき)などが並び、農作業の苦労が想像される。昭和初期の米栽培の様子が分かる動画もあり、道具の詳しい使い方を知ることができる。
博物館の宍道年弘企画員は「懐かしさとともに、近代化された農機具のありがたさも感じてほしい」と話した。会期中は無休で、午前9時~午後5時。
(松本直也)












