ロシアのプーチン大統領がウクライナの親ロ派支配地域の独立を認めて派兵を命じたことに対し、バイデン米大統領は「侵攻の始まりだ」と強く非難した。各国は事態を収拾できるのか。国際秩序や経済への影響は。識者3人が論じた。
許されない国際法違反
元外務事務次官 杉山 晋輔氏
ウクライナ危機の収束へ向け、日本と欧米諸国は先進7カ国(G7)を中心にここまで「抑止」と「対話」を軸に外交努力を続けてきたが、極めて遺憾な結果になった。ロシアのウクライナ東部への軍事展開は主権国の領土的一体性を侵害しており、明らかに国際法に背馳(はいち)する行為だ。
今回の...