3月19日に運行開始する国鉄色の特急やくも(JR西日本米子支社提供)
3月19日に運行開始する国鉄色の特急やくも(JR西日本米子支社提供)

 JR伯備線岡山ー出雲市駅間を結ぶ特急やくもが、運転開始50周年を迎える3月から、6両編成1本を昔懐かしい国鉄色に塗り替えて運行する。現行の381系車両を使ったリバイバル編成車両はクリーム色をベースにライトや窓周りを赤色にし、旧国鉄時代の塗装を復刻。車内放送で流れていた「鉄道唱歌」のチャイムも復活させ、当時の旅情をかき立てる。

 島根県東部の旧国名・出雲の枕ことば「八雲立つ」にちなむ特急やくもは、1972年3月の山陽新幹線岡山駅開業に合わせて運転開始。当初はキハ181系気動車で運転していたが、82年の伯備線と山陰線一部区間の電化で381系電車となり、87年の国鉄民営化以降は主に赤と白を基調に塗装した車両が走っている。

 赤色とクリーム色のツートンカラーの車体は「国鉄特急色」と呼ばれ、旧国鉄時代の特急の代名詞になっていた。懐かしむ鉄道ファンや元運転士ら関係者は多く、JR西日本米子支社が伯備線運行開始50周年を記念して復活させる。

 国鉄色の塗装をまとったリバイバル車両は、上下4本(8、9、24、25号)で運用。3月19日には出雲市駅(午前7時21分発)と米子駅(同8時19分発)でオープニングセレモニーを開く。運行終了日は未定。

 米子支社は運行開始と連動し、岡山ー出雲市駅間14停車駅の入場券とやくも写真入りオリジナル台紙をセットにした記念入場券を2千セット限定(1セット3千円)で発売する。期間は3月15日~9月30日で、売り切れ次第終了する。

 佐伯祥一支社長は「ノスタルジーあふれる国鉄色の特急やくもで山陽・山陽の旅を楽しんでほしい」と話した。
      (山根行雄)