中国電力島根原発(松江市鹿島町)に関する安全協定の改定について、鳥取県と米子、境港両市、中電の4者による協議会が10日あり、県と両市が中電に対して改定案を受け入れる考えを伝えた。中電は協定の文言は異なるものの運用面で立地自治体の島根県、松江市と同様に対応すると確約。約10年にわたる改定協議が終わった。
安全協定について県は、立地自治体と同じ内容とするよう中電に求め、改定を島根原発2号機の再稼働の是非を議論する「前提」としてきた。改定協議が終了したことで、焦点は再稼働を認めるか否かの議論に移った。
改定案は、原発にトラブルがあった場合に原子炉の停止などを求めることができる「措置要求」権を、立地自治体の島根県、松江市と同様に鳥取県にも認め、米子、境港両市の意見を聞いて行使できると定めた。
一方、再稼働の可否を判断できる「事前了解」権の文言は盛り込まれず、計画の「事前報告」と「誠意を持って対応」の追記にとどまった。このため、県議会などから運用面で立地自治体と同様に扱われるかどうかを疑問視する声が上がり、平井伸治知事が中電に念押しするとの考えを示していた。
ウェブ形式であった協議会で、平井知事は立地自治体と同様に運用するとの約束について「文書で確認できるものが必要」と中電に要請。中電の芦谷茂副社長は「安全協定の改定の調印に合わせて示せるよう準備を進めたい」と述べた。
措置要求などの権限行使に関しては、県と両市が運用方法を取り決めることも確認した。
(福間崇広)