移住者向けのオンライン相談を始める山中じゅん子さん=島根県西ノ島町浦郷
移住者向けのオンライン相談を始める山中じゅん子さん=島根県西ノ島町浦郷

 島根県西ノ島町で地域おこし協力隊として活動した山中じゅん子さん(41)=秋田県出身=が任期を終え、1日から町内を拠点にカウンセリング業を起業した。島に来たばかりの頃、寂しい思いをした自身の経験を生かして移住者と対話し、メンタルサポートを担うことで「自分らしい生き方をしてほしい」と定着率の向上を目指す。 (鎌田剛)

 山中さんは仙台市のコールセンターでオペレーターや人材育成の仕事をしていたが2019年4月に退職。新しい生活を体験しようと離島暮らしをキーワードにネットで検索したところ偶然、西ノ島町の協力隊員募集の告知を見つけた。

 同年10月に着任すると町内のケーブルテレビ「西ノ島チャンネル」の番組制作や観光、移住のネットでの情報発信を担当した。20年7月にはインスタグラムで町公式アカウントを立ち上げ、購読者を1400人超に伸ばした。協力隊の活動は順風満帆だったが「最初の1カ月は寂しい気持ちが強く、相談できる人もいなかった」と振り返る。

 「自分と同じ思いをした人も多いのではないか」と思い立ち、町内のIターン経験者22人に話を聞くと、6割ほどが「最初は本音で話せる人がいなかった」と人間関係に悩んだ経験があることが分かった。

 悩みを打ち明けられず、志半ばで移住先を去る人もいる。つらかった経験を生かし、カウンセリングを事業にしようと考えた。カウンセラーの民間資格を取得し、オンライン対話のページ「みずうみ」を立ち上げ、先行して全国の女性たちから身の上相談を受け始めている。

 1日からは同町浦郷に事務所を構え、移住者を対象に対面のほか、広くオンラインで相談に乗る。移住者を受け入れる自治体に、カウンセリングと連携した支援体制を提案していく。

 山中さんは「移住者が自分らしくいられることを大切にし、その人なりにベストを尽くせるようにしたい」と張り切っている。