羽を広げ、優雅な舞を披露する鷺役=島根県津和野町後田、町民センター前
羽を広げ、優雅な舞を披露する鷺役=島根県津和野町後田、町民センター前

 島根県津和野町後田の弥栄神社に伝わる国の重要無形文化財・鷺舞(さぎまい)神事が20日、弥栄神社など町内11カ所で奉納された。疫病鎮護を祈る古典芸能神事で、紅白の衣装に鷺頭(さぎがしら)を着けた2人の鷺役が白い羽を広げてゆったりと舞い、見物客を魅了した。27日もある。

 津和野城主の吉見正頼が1542年に京都の八坂神社から山口へ伝わった舞を移入したのが始まりとされ、住民有志でつくる「弥栄神社の鷺舞保存会」が継承する。ここ3年は雨天や新型コロナウイルス感染拡大防止のため、規模を縮小して奉納場所を限定せざるを得ず、4年ぶりに本来の形である町内11カ所での開催となった。

 太鼓やかね、鼓、笛による演奏と「橋の上におりた 鳥はなん鳥」「時雨の雨に ぬれとりとり」といった唄が響く中、雌雄一対の鷺役2人が長さ約110センチの板39枚で作った羽を打ち鳴らし、扇のように大きく広げた。

 益田市高津6丁目の無職山下英昭さん(79)は「間近に見たのは初めて。優雅な舞で素晴らしい。また見に来たい」と笑顔だった。

 保存会の栗栖志匡(ゆきまさ)会長(66)は「会員一同、思い一つに、神様に真摯(しんし)に向き合って奉納できた」と話した。