今夏の松江水郷祭(8月6、7日)に合わせて全国のパフォーマーが松江に集結し、自慢の演技を披露する。企画するのは市の地域おこし協力隊員として活動する魂のストリートパフォーマー、ジロー今村さん(45)。ジローさんはパフォーマーが普通に歩き、にぎわう町という夢の実現に向け、地域を駆け回り、準備に汗を流している。(報道部・片山大輔)
今年に入って松江市内で、派手な髪型の男性を見かけて気になったことはないだろうか。この男性がジローさんだ。東京を拠点に全国で肉体芸を披露してきたが、20年前から活動を支える松江に「恩返しがしたい」と今春、移住した。
イベントは「カラコロサーカス」と名付け、市中心部のカラコロ広場とギャートルズ広場を舞台に8月5~7日の3日間実施する。松江京店商店街協同組合や松江商工会議所青年部の協力を得てジローさんが全国の芸人仲間に声を掛け、約20人が参集する見込み。

中国ゴマ日本チャンピオンやジャグリングの男女コンビ、道化師、大衆演劇団、マジシャン、コミックダンサーなど、すご腕パフォーマーが出演する。基本的に動かない銅像パフォーマーも駆けつけ、多彩なステージを繰り広げる。
開催時間は水郷祭前夜の5日(金曜)は午後6時~同8時で、6日(土曜)は同7時~同10時、7日(日曜)は同6時~同9時半。時間内はパフォーマーが入れ代わり立ち代わりショーを繰り広げる。
発起人のジローさんは札幌市出身。肉体芸は、日本福祉大(愛知県)の学生時代に障害児教育で言葉を使わずに身体表現だけで楽しませる面白さを感じた経験がきっかけになった。卒業後に東京のパントマイムの研究所で芸を磨き、2002年末から1年間、47都道府県を行脚した。
全国を巡る最中の03年5月に松江を初訪問し、カラコロ広場のイベントで、松江京店商店街の関係者に直談判して芸を披露した。それ以来、年4回以上は訪れ、19年には市から松江観光大使の委嘱を受けた。
新型コロナウイルスの感染拡大で移動が制限されて巡業ができなくなり「応援してくれる松江に腰を据え、盛り上げたい」と決断。妻と小学生から高校生までの子ども3人を都内に残して今春、移住した。
カラコロサーカスはジローさんが16年に始め、19年まで毎年開いたが、コロナ禍で中止を余儀なくされ、3年ぶりの開催になる。デビューしたばかりの新人から芸歴30年のベテランまで過去にないほど充実した出演者をそろえ、観客を楽しませる計画だ。
パフォーマーはイベント期間中と前後を含め、松江市内などで出演依頼があれば、可能な限り対応する考え。パフォーマーの町「松江」の定着を夢見るジローさんは「地域行事や福祉施設など、いろんなところに呼んでほしい。露出を増やし、盛り上げたい」と意気込んでいる。
問い合わせはジローさん、電話080(5042)2321。