雪舟の画風を受け継いだ雲谷派の水墨画を紹介する五十嵐重夫館長=益田市乙吉町、市立雪舟の郷記念館
雪舟の画風を受け継いだ雲谷派の水墨画を紹介する五十嵐重夫館長=益田市乙吉町、市立雪舟の郷記念館

 【益田】益田市ゆかりの画聖・雪舟(1420~没年不詳)の作風を受け継ぎ、江戸時代に活躍した雲谷(うんこく)派の水墨画を紹介する企画展「雪舟を継承するモノ」が、同市乙吉町の市立雪舟の郷記念館で開かれている。来場者が、雪舟の業績に着想を得た作品の数々を熱心に鑑賞している。6月27日まで。

 雲谷派は桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した雲谷等顔(1547~1618年)を祖とし、独自に雪舟の絵を学び、毛利家の絵師を務めた。等顔の一派は江戸時代を通じて毛利家の治めた萩藩を中心に活躍した。

 企画展では雲谷派の水墨画を中心に65点を展示。このうち岩国藩の雲谷派絵師で江戸時代初期に活躍した斎藤等室の水墨画「蓮鷺(れんろ)図」(市指定文化財)は、蓮池に降り立つシラサギを伸びやかなタッチで表現している。

 五十嵐重夫館長(67)は「雲谷派は当初、力強い線と大胆な構図が特徴的な雪舟のスタイルを踏襲していたが、時代が下るにつれ徐々に洗練されていく。そうした画風の変化を確かめてほしい」と話す。

 開館時間は午前9時~午後5時(入館午後4時半まで)。5月4日を除く毎週火曜日と4月30日、5月6、7日は休館。入館料は一般300円、小中高生100円。(中山竜一)