クラフトコーラ用のシロップを作る門脇幹尚副代表(右)と薬剤師=松江市東出雲町錦新町8丁目、カレー工房ダーニャ
クラフトコーラ用のシロップを作る門脇幹尚副代表(右)と薬剤師=松江市東出雲町錦新町8丁目、カレー工房ダーニャ
ろんぢんが商品化したクラフトコーラ=松江市殿町、ろんぢん
ろんぢんが商品化したクラフトコーラ=松江市殿町、ろんぢん
クラフトコーラ用のシロップを作る門脇幹尚副代表(右)と薬剤師=松江市東出雲町錦新町8丁目、カレー工房ダーニャ
ろんぢんが商品化したクラフトコーラ=松江市殿町、ろんぢん

 一般的なコーラと一線を画す「クラフトコーラ」を商品化する動きが、山陰両県の食品製造業者や飲食店で相次いでいる。気分転換や一手間かけた一杯を求める消費者を取り込もうと、スパイスの調合や見た目で独自性を打ち出す。

 7月以降、松江市殿町のしゃぶしゃぶ店ろんぢん、同市東出雲町錦新町8丁目のカレー工房ダーニャ、鳥取市福部町湯山のタカハマカフェが発売した。

 このうち、カレー工房ダーニャは食欲増進効果があるとされるカルダモンなど6種をブレンドし、沖縄県産黒糖と北海道産てんさい糖を加えて煮詰めたシロップを使う。薬膳に詳しい薬剤師とともにスパイスの知識を生かして商品化し、店内などで1杯350円で販売する。

 ろんぢんは、目でも楽しめるようにシロップとソーダの2層仕立てで、来店客が混ぜて飲む。1杯600円で売り出したところ、夏期限定ドリンク3種のうち一番人気だったという。

 クラフトコーラは地域色や健康的なイメージなどを前面に出し、2020年ごろから全国で製造販売されるようになった。新型コロナウイルスの感染拡大で、飲酒の代わりや、巣ごもり中に自家製を作って気分転換する方法として注目され、酒蔵や飲料大手を含めて商品化の動きがある。

 20年に炭酸水や牛乳と割って飲むクラフトコーラシロップを発売した雲南市大東町須賀の山田屋は、地元産のショウガと世界中から取り寄せたスパイスを使い、全国各地から年間9千本を受注する。

 山陰両県で土産物店を経営する清松庵(松江市朝酌町)は島根県東部で生産された薬草マコモや、香辛料6種を混ぜ、ご当地の飲み物として観光客に売り込む。川上忠宏常務は「はやりのクラフトコーラは出雲の薬草と健康的なイメージをアピールするのにうってつけだ」と、飲食店への卸売りに乗り出す計画だ。

(今井菜月)