自宅でイラストを描く岡迫亘弘さん=埼玉県内(本人提供)
自宅でイラストを描く岡迫亘弘さん=埼玉県内(本人提供)
岡迫亘弘さんが描いた「宇宙戦艦ヤマト」(右)をはじめ各キャラクターのイラスト画が並ぶ会場=浜田市三隅町井野、井野まちづくりセンター
岡迫亘弘さんが描いた「宇宙戦艦ヤマト」(右)をはじめ各キャラクターのイラスト画が並ぶ会場=浜田市三隅町井野、井野まちづくりセンター
自宅でイラストを描く岡迫亘弘さん=埼玉県内(本人提供)
岡迫亘弘さんが描いた「宇宙戦艦ヤマト」(右)をはじめ各キャラクターのイラスト画が並ぶ会場=浜田市三隅町井野、井野まちづくりセンター

 「宇宙戦艦ヤマト」など数多くの名作アニメの作画やキャラクターデザインを手がけたアニメーター・岡迫(おかせこ)亘弘(のぶひろ)さん(80)=埼玉県在住=が、幼少期を過ごした浜田市三隅町井野地区でイラスト展を開いている。日本を代表するアニメキャラとともに、井野での思い出を描いた計45点が並ぶ。山里には本屋がなく、漫画を描いて友達に見せていたことが創作活動の原点といい岡迫さんは「井野への恩返しの思いを込めた。若い人にも見てほしい」と話している。10日まで。 (宮廻裕樹)

 東京都生まれの岡迫さんは戦中、3歳の時に父の生家がある井野地区に疎開し、12年暮らした。旧井野中学校を卒業後、伯父が勤めていた東映動画スタジオに入り、手塚治虫が創設した虫プロダクションでも腕を鳴らした。現在は自身が立ち上げたアニメスタジオで後進の育成に励む。

 会場の井野まちづくりセンターには「キャプテン翼」「ドカベン」「笑ゥせぇるすまん」など16作品が並ぶ。1974年に作画監督として携わった「宇宙戦艦ヤマト」のイラストには、古代進などおなじみのキャラクターとともに「制作途中病気に倒れ、大変苦労した作品でした」と裏話も添えた。

 友達とこま回しや川遊びをした井野地区での思い出の場面も展示した。漫画家に憧れ、時代劇を題材にした漫画を描いては友達によく見せていたといい「井野には本屋がなく、みんなが早く続きを読みたいって言ってくれた。アニメーターの仕事は小さい頃から絵を描き続けた延長にある」と振り返っている。

 イラスト展は小中学校の同窓生からの要望がきっかけ。展示用に5年ほど前から描きためてきた。開場時間は土日祝日を除く午前9時~午後5時。入場無料。