第40回全国中学校陸上競技選手権大会で100メートルを走った直後のサニブラウン(左)と花田達也さん(右)=2013年、「Athlete Tube for Tokyo Olympic 2020」提供
第40回全国中学校陸上競技選手権大会で100メートルを走った直後のサニブラウン(左)と花田達也さん(右)=2013年、「Athlete Tube for Tokyo Olympic 2020」提供
リモート取材で当時の思い出を語る花田達也さん
リモート取材で当時の思い出を語る花田達也さん
第40回全国中学校陸上競技選手権大会で100メートルを走った直後のサニブラウン(左)と花田達也さん(右)=2013年、「Athlete Tube for Tokyo Olympic 2020」提供
リモート取材で当時の思い出を語る花田達也さん

▼続くつながり

 この全中陸上を機に、花田さんとサニブラウンは気が置けない仲となる。

 同年に東京都であった、陸上の全国大会成績上位の中学生や高校生を対象とした合宿で、2人は相部屋に。陸上について連日熱く話したほか、LINEも交換した。

 「(サニブラウンは)一緒に話している時もいつも堂々としていて自信に満ちあふれ、芯が通っている人。合宿の時から、既に世界を見据えていた」と振り返る。高校生のインターハイの会場で会った際も、互いのプライベートなどについて談笑した。

 今でもハキーム、花田と呼び合う仲。2017年にイギリスのロンドンであった、世界陸上競技選手権大会の男子200メートルで入賞したサニブラウンに、花田さんが祝福のLINEを送るなど、つながりは続いている。

 

▼陸上経験が生きる仕事

 高校でインターハイに出場し、大学進学後も陸上競技に青春をささげてきた花田さんだが、「陸上選手の現役寿命は短い」との考えから、陸上に打ち込むのは大学生までと決めていた。大学生になってからは中学生や高校生の時のような動きができなくなったと同時にケガも多くなった。今春、一般企業に就職して陸上人生に区切りを付けた。

 昔から自身が練習で意識していたのは、「自分が満足するまでやる」こと。例えば走り込みの際は、時間や距離でくくらず、「これだけやれば満足だ」と思えるまで続けたという。「それが本番での『あれだけやったんだから』という自信につながっていた」と力を込める。

 陸上で培った精神力は現在の不動産業にも生きており、「何事もマイナスには考えないようになっている」という。「家は人にとって人生の基盤となる物。仕事を通してお客さんの人生に寄り添い、支えられる人間になりたい」と夢を語った。

 

▼「走りで希望与えて」

 近年のサニブラウンの走りを見て、花田さんは「なんと言っても体格と歩幅の大きさが武器。以前は少しがむしゃらに走っていたが、おそらく大学などで技術的な面を学び、体格に適した動き方を体得しているのだと思う。どんどん良い方向に洗練されている」と絶賛する。

 東京五輪の陸上競技の日本代表内定に向けては、21年6月下旬に大阪市である日本陸上競技選手権大会がヤマ場となる。

 花田さんは「東京五輪で走ることは、彼にとっても見る人にとっても多くの希望を与えることになると思う。とにかく自分自身の思うように、やりたいように走ってもらいたい。自分も大舞台でのハキームの走りが見られるのを楽しみにしている」と笑った。