島根県美郷町が町内から大学などに進学した人を対象とした返済不要の給付型奨学金制度を、2023年度に創設する。ふるさと納税が財源で、受給者には卒業後に町への寄付を推奨し、資金を循環させる仕組みだ。寄付は強制ではなく、仮にしなくても奨学金返済は求められない。子育てしやすい環境を整えるための、異色の人口減対策を持続させるには、利用者の善意と安定的な寄付の確保が欠かせない。 (川本支局・佐伯学)
「できる範囲で」
新しい奨学金制度は成績や所得の制限がなく、町内の中学校を卒業し、受給期間中に本人か保護者のいずれかが町内に住んでいれば受けることができる。受給者に推奨するふるさと納税は、金額や時期を指定せず、あくまで善意に頼る仕組みだ。嘉戸隆町長は「社会に出た人が後...