開所した「住宅型有料老人ホームほくよう」=松江市西浜佐陀町
開所した「住宅型有料老人ホームほくよう」=松江市西浜佐陀町

 訪問介護サービスなどを手がける北陽福祉サービス(株)(松江市袖師町、幡宏明社長)が、住宅型有料老人ホーム「ほくよう」を西浜佐陀町に開所した。退院後も医療ケアを要し、在宅復帰が困難な人を対象とした24時間対応の医療特化型施設で、利用者の心身に優しい空間づくりにこだわった室内が特徴。医師の指示の下、より良い看護サービスの提供と安定した生活を続けられる施設を目指す。

 松江市内では、退院後の医療ケアを伴った在宅復帰への不安を抱える人を受け入れる施設の少なさが課題となっている。同社は、新たな地域福祉拠点として同ホームを開所。市内病院との連携を通し、的確な医療処置と充実した介護サービスの提供を目指す。

 木造2階建て(延べ床面積2千平方メートル)の建物には、スギやヒノキ、マツなど島根県産材を8割使用している。完全バリアフリー構造で、一般居室63部屋のほか、食堂や浴室、静養室を備える。

 内装は、病院の新築や改装をサポートするメディカルデザイン(株)(東京都中央区)監修の下で設計。外部騒音の緩和や、心身のリラックス効果を高める波動スピーカー、視覚に優しい照明を採用し、利用者のストレスや従業員の疲労感軽減につなげる柔らかいインテリアデザインとした。総工費は約5億8千万円。

 北陽福祉サービスの幡社長は「松江の医療体制を支える役割を担い、地域社会維持に貢献できる施設になると期待している」と話した。