島根県庁(左)と鳥取県庁
島根県庁(左)と鳥取県庁

 新型コロナウイルス感染症の死者数が山陰両県内で増加中だ。1月の死者数は11日公表分までで島根37人、鳥取30人に上り、1カ月当たりの最多を更新するペース。死者は基礎疾患がある80歳以上の高齢者が大半で、両県は感染防止の呼びかけを強めている。

 島根県感染症対策室によると、県内の累計死者数225人のうち、82人が22年6月中旬以降の第7波、129人が同10月中旬以降の第8波に集中。年齢層はほとんどが80歳以上で、平均は第7波が85・0歳、第8波が85・9歳だった。

 第7、8波公表分のうち、判明している172人の死因は、コロナ感染によるウイルス性肺炎が48人に対し、がんなどの悪性腫瘍が20人、脳や心臓、血管の疾患が31人、コロナ以外の誤嚥(ごえん)性肺炎が27人、老衰が26人など。県はコロナが基礎疾患を助長させる傾向があると見ている。

 12月19日から1月10日までのクラスター(感染者集団)90件のうち、59件(65%)は高齢者福祉施設が占めた。県はワクチン接種の推奨のほか、高齢者福祉施設や医療機関の職員に週3回以上の自主検査を要請するなど高齢者の感染リスクを抑えるよう注意を促しており、田原研司室長は「高齢者の命を守るために、ケアが必要。施設職員らを中心に対策を徹底してほしい」と述べた。