表装作品に見入る来場者=中電ふれあいホール、松江市東朝日町
表装作品に見入る来場者=中電ふれあいホール、松江市東朝日町

 山陰中央新報社文化センター松江教室の「表装教室」(鐘築憲一講師)に通う受講生らの作品展が10日、松江市東朝日町の中電ふれあいホールで始まり、心を込めて作った掛け軸など62点が来場者を楽しませる。12日まで。入場無料。

 教室は月2回の頻度で開き、今年は開講40周年に当たる。受講生とOB、表具師の鐘築講師(72)の計12人が出品。受講者各自が感性を生かし色合いと絹や布の組み合わせにこだわった。日本画や書画、仏画を引き立てる掛け軸とともに、びょうぶや手拭いを裏打ちした額装も並ぶ。

 鐘築講師によると、伝統的な裏打ちは作品を伸ばし、でんぷんのりで和紙に貼り付ける。でんぷんのりは後で剥がせる一方、効率的な接着剤や両面テープを使うと剥がせず、鐘築講師は作品の品質維持・管理の面からでんぷんのりの良さを強調。「価値ある作品を長く残すため、基本を大切にしている」と話す。

 作品を見た松江市雑賀町の清水利美さん(91)は「しわもなく丁寧に表装され、作品を大切にしているのが伝わる」と話した。

 午前10時~午後4時。半紙大の書などを持参すると受講生らが無料で裏打ちをしてくれる。掛け軸の巻き方や保管方法についての教室もある。

 (小引久実)