初めて存在を知ったのは2年前、2023年の9月。高校年代最高峰のリーグ戦であるプレミアリーグで、米子北と神村学園(鹿児島)が対戦した試合を撮影していると、後半14分から米子北の小柄な1年生MF、熊谷弾(くまがえ・はずむ)が途中出場した。

 『1年生から試合に出るのだから、期待されているのだろうな』と思いながら撮影を続けていたら、残り4分となった後半41分に先制点を決め、1-0の勝利に貢献。記事にすべく試合後に話を聞くと「これまで試合に出ても結果を残せませんでしたが、今日こそは結果を残してやろうと思っていた」と力強く語った。

筆者が初めて取材した2023年9月のプレミアリーグでの試合。1年生ながら途中出場で決勝点を挙げてチームの勝利に貢献した


 ここまでは、よくある取材だったが、米子北のスタッフが教えてくれた。

 「熊谷のお父さん、プロレスラーなんですよ」...