練達のストーリーテラーにしては珍しく、筋はとらえどころがない。ゆったりした大河に無数の小さな物語が浮かんでは消え、いつまでも流れに身を委ねていたいような気にさせる。宮本輝さんが新著「よき時を思う」(集英社)を刊行した。

 簡単に紹介する...