全国旅行支援事業「しまね旅キャンペーン」の対象店舗に支払われる支援金に誤払いがあった問題で島根県が20日、計338事業者(509店舗)への支払いでミスがあり、過不足や未払いが総額1億円以上に上ると発表した。本来は2万1千円を支払うべき事業者に、1700万円以上が振り込まれたケースもあった。過剰振り込みがあった50事業者のうち、連絡が取れた47事業者は過剰分の返金に応じるという。
県観光振興課によると、ミスがあったのは電子クーポン「しまねっこペイ」の対象店舗への支払いで、クーポンの利用実績に応じて、委託先の旅行事業5社でつくる事務局が、各店舗を運営する事業者へ支援金を振り込む仕組み。事務局が国に年度末の報告をするため、3月1~14日の利用実績を抽出してデータを作成する際に集計ミスが発生し、誤ったデータに基づいた金額を振り込んだという。
県の調査では5271万円の過剰振り込みと、その同額の過少振り込みや未払いを確認。過剰振り込みが50件、過少振り込みが14件、未払いが274件だった。過剰振り込みの最大額は1724万1千円で、169店舗分の支援金が1店舗に対し支払われていた。過剰振り込みがあり、まだ接触できていない3事業者(過剰振込合計30万円)には、引き続き連絡を取る。過少振り込み、未払い分は21日に正しい額を支払う。
県観光振興課の斎藤卓男課長は記者会見で「ご迷惑、ご心配をかけたことをおわびする」と陳謝し、チェック態勢を強化して再発防止を図る考えを示した。事務局の代表を務めるJTB山陰支店の林勇一支店長は「チェックが不足していた。猛省している」と述べた。
「しまね旅キャンペーン」は6月まで実施。県内の宿泊施設を利用した旅行者が宿泊代金の20~40%の補助を受けられるほか、県内の対象店舗で使える「しまねっこペイ」を1千~2千円分を受け取ることができる。
(高見維吹)