ヒメボタルの隠れた生息地の一つ、鳥取県日南町菅沢で2日、世界的な写真コンテストの受賞者を講師に7月開くヒメボタル撮影ツアーの準備会があった。企画した同町観光協会や地元有志の会など関係者が、「ソニーワールドフォトグラフィーアワード2020」自然・野生生物部門で世界2位になった広池昌弘さん(58)=鳥取県南部町法勝寺=と意見交換し、本番に備えた。
菅沢地区は森林と清流に恵まれ、因伯名水の一つ、聖(ひじり)滝渓流には国の特別天然記念物オオサンショウウオや希少植物が生息。昨春、地元有志が「聖滝を守る会」(白根昇代表、10人)を発足させ、地域資源を生かした活動に注力している。
今回の撮影ツアーは、広池さんが聖滝で撮ったヒメボタルの作品が世界的な評価を受けたのを機に計画。7月17日から2泊3日の少人数ツアー(山陰両県在住者限定)を組み、広池さんを講師にしたホタル撮影会を開くことにした。
準備会では、関係者約15人が自然環境に配慮した受け入れ体制を中心に意見交換。参加者から1人500円の保護協力金を集め、地域ぐるみの保全活動に生かすことにした。実際に撮影ポイントも下見し、危険箇所を確認した。
白根代表(82)は「集落を活性化させたい」と願い、同協会の山本真也事務局長(34)は「持続可能な観賞スポットに育てたい」と期待。広池さんは「広く生息地を知ってもらうのも保護・保全活動だと思う」と話した。
問い合わせは、同協会、電話0859(82)1715。
(山根行雄)