記者会見を開き、衆院議長辞任の理由を説明する細田博之衆院議員=東京・永田町、衆院議長公邸
記者会見を開き、衆院議長辞任の理由を説明する細田博之衆院議員=東京・永田町、衆院議長公邸

 細田博之衆院議長(79)=島根1区、11期=が13日、東京・永田町の議長公邸で記者会見し、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係や週刊誌が報じたセクハラ疑惑を否定した。体調不良を理由に議長を辞任する一方、次期衆院選に立候補する考えを正式に表明した。19日に衆院に辞表を提出する。

 旧統一教会との関係を巡っては「会合に呼ばれれば出る程度で、特別な関係はない」と強調。2019年10月に教団の会議に出席した際に「会議の内容を安倍(晋三)首相に報告したい」とあいさつしたことは「リップサービスで申し上げただけで(安倍首相に)報告もしていない」と述べた。

 週刊誌が報じた女性記者などへのセクハラ疑惑については「誰一人セクハラに遭ったという人はいない。単なるうわさ話だ」と話した。

 体調を巡っては、7月に脳梗塞の手術を受け、薬の副作用の影響で議長の公務を果たせない恐れがあるとし、「重要な公務が予定される国会運営の停滞を避けなければならない。辞めたくて辞めるわけでない」と述べた。

 次期衆院選への立候補に関しては「多少よたよたしているが、国会議員としての活動はできる」と話し、山陰中央新報社の質問に対し、地方鉄道の維持や中山間地域・離島対策などを挙げ、「地方がおろそかになってはいけないという思いが非常に強い。簡単に人に任せて『はい、さようなら』というわけにはいかない」と意欲を示した。

 細田氏が議長辞任の理由や旧統一教会との関係などを巡り、公開の場で説明するのは初めて。国会を取材する記者クラブ加盟各社のほか、参加を申し入れ、認められた山陰中央新報社など記者30人とカメラマン10人が参加した。体調を理由に当初30分間を目安とした会見時間は、約50分間に延長された。
  (原田准吏、白築昂)