▽短歌 宮里勝子選

炎天に竹ザル出して梅を干す皺ふかくなる土用の真昼       出 雲 小林  香

  【評】今はすたれつつある手仕事のひとつ、土用干しは3日3晩つきっきり。年中を通してなすべきことは体が覚えていて、思い通りにはかどると心が満たされる。具体的な描写の中に抒情がただよう。

釜飯を作り続けて五十年駅弁人生後悔はなし           江 津 大岩 郁夫

  【評】釜めしづくりに人生をかけて悔いはないと。旅行の楽しみは地方ごとの駅弁を味わい器を持ち帰り、思い出を懐かし...