第四章 大冴え(二十一)  早朝から夜更けまで、寅蔵は働き通しに働いた。  下男や小女一人とて置かぬ独居で、水汲(く)みに薪(まき)割り、飯炊き、掃除まですべて寅蔵が担(にな)わねばなら...