端午の節句や学業成就の飾り物として知られる「出雲五色天神」の製作が最盛期を迎えた。江戸時代から出雲地方に伝わる土人形。伝統を受け継ぐ「斐川でこや連」(青木誠会長)のメンバー19人が出雲市斐川町出西の工房で、全体のバランスや色合いを考えながら一体一体丁寧に色を塗っている。
五色は儒教の五条の礼節「仁、義、礼、智、信」を表し、黒、青、白、赤、緑の各色で彩色する。工房では、近くの出西窯で素焼きした高さ7・5センチ、幅6センチ、厚さ3センチの人形を、メンバーが筆を手にポスターカラーで着色した。
5色1セットで、来春までに60セットを製作する予定。1セット7千円で、1月から出西窯(出雲市斐川町出西)や出雲民芸館(同知井宮町)で販売する。
後継者不足で一時途絶えた出雲五色天神は、島根県退職公務員連盟斐川部のメンバーでつくる「斐川でこや連」が2019年に復活させた。
青木会長(85)は「若い世代にも地域の伝統文化を知ってもらい、郷土愛につながってくれたらうれしい」と話した。
(佐野翔一)













