仮設駐車場となる末次公園の芝生広場(中央)。左上が松江市役所本庁舎=松江市末次町
仮設駐車場となる末次公園の芝生広場(中央)。左上が松江市役所本庁舎=松江市末次町

 松江市役所本庁舎(松江市末次町)の現地建て替え工事に伴い、近くにある末次公園の芝生広場(約1600平方メートル)が2月1日から5年近く使えなくなる。工事期間中の来庁者用仮設駐車場になるためで、市中心部の憩いの場が失われることに、子育て世代の周辺住民が反発の声を上げる。

 市の計画によると、庁舎の建て替えは工事を3期に分け、3月から宍道湖側の駐車場敷地に新庁舎の南側半分を建てる1期工事に着手。2023年春から25年秋までの2期工事で残る半分を建てる。この間、現在の駐車場の大部分が使えなくなるため、末次公園の芝生広場を舗装して仮設駐車場を設けるという。

 宍道湖畔の芝生広場は、子どもが散歩やボール遊びを楽しめる広さがあり、島根県庁や県警本部、市役所、文教施設が集中する城西地区では貴重な公共空間。近くに住む茶師・加島浩介さん(35)と妻の理絵さん(30)は「地域の大切な場所がなくなってしまう」と顔を曇らせる。

 市は今月に入って3度、公民館関係者や周辺住民を対象に説明会を開いたが、周知不足との声は根強い。

 小学1年と2歳の息子がいる同市東茶町の自営業石橋正章さん(39)は理絵さんの会員制交流サイト(SNS)への投稿で芝生公園が舗装されることを知り「非常に重要なことで、もっと早い時期に周知すべきだった。住民の意見を聞き取る場も設けてほしかった」と憤る。

 周辺には民間の駐車場が多くあるものの、市の試算では51台分を確保するには仮設駐車場整備費の約2倍の3千万円が必要となる。一方、「周辺の子どもたちにとっての5年間と費用は天秤(てんびん)にかけられない」(理絵さん)とする意見も。市役所駐車場はかねて来庁目的ではない人が連日のように利用していることも問題視されており、住民たちがやりきれなさを抱えている。