衆院選公示前、突然の発表だった。れいわ新選組の山本太郎代表が参院議員を辞職した。理由は病気。政治家としての姿勢や主張に賛否はあるが、アンチを含め気遣う声は多い。
最初に姿を目にしたのが35年前。テレビ番組で披露した「メロリンキュー」と呼ぶ奇抜なダンスが代名詞の高校生だった。俳優から政治家に転身後も「ひとり牛歩」など行動は奇抜だった。「エンジンが焼き切れる寸前までフル回転させる。ゼロか100の生き方をしてきた」。批判を受けても意に介さない姿勢を同年代としてうらやましく見ていた。
日本政治は多党化が進む。れいわも新興勢力の一つだ。保守色が強い高市早苗首相が仕掛けた衆院解散を機に立憲民主、公明両党は新党を結成。「右」「中道」「左」の色分けが進む中、有権者は漂流している。
選挙結果の中身が物語る。昨夏の参院選鳥取・島根合区選挙区の共同通信の出口調査で、保守(右)を掲げる参政党が擁立した候補をリベラル(左)のれいわ支持層の約3割が支持した。眼前の苦しさの受け皿にイデオロギーは関係ない。就職氷河期世代、ロスジェネとされる40、50代にその傾向が強い。
政治は「ゼロか100」ではないと思う。意見の違いがあっても最後はまとまる。それが日本社会の良さであり、かつての自民党がそうだった。分断と漂流の先に何が待っているのか。予測不能なあの国が頭に浮かんだ。(添)













