第六章 来去来(五)

 十三夜ではいよいよ床入りとなるので寅蔵は朝から落ち着かず、まっさらの褌(ふんどし)を何度も締め直した。師匠と下女の婆さんには吉原に招きを受けるつど話してあったので...