出席した国会議員の前であいさつする丸山達也知事(左)=松江市殿町、島根県民会館
出席した国会議員の前であいさつする丸山達也知事(左)=松江市殿町、島根県民会館
竹島問題の解決を目指し、記念式典に臨む出席者=22日午後、松江市殿町、島根県民会館
竹島問題の解決を目指し、記念式典に臨む出席者=22日午後、松江市殿町、島根県民会館
出席した国会議員の前であいさつする丸山達也知事(左)=松江市殿町、島根県民会館
竹島問題の解決を目指し、記念式典に臨む出席者=22日午後、松江市殿町、島根県民会館

 竹島(島根県隠岐の島町、韓国名・独島(トクト))の領有権確立を国内外に訴える島根県の「竹島の日」記念式典が22日、松江市内であり、竹島に関する研究機関の設置や、政府主催による式典開催などを政府に求める7項目の特別決議を採択した。丸山達也知事は政府に対し、国際社会に情報発信して、両国間で話し合える環境を整備するよう訴えた。

 

 19回目の式典は、4年ぶりに入場制限を設けずに行い、一般参加35人を含む計328人が出席した。県は首相や閣僚の参加を求めているが、閣僚の派遣は今年も見送られ、12年連続で政務官が出席した。日韓関係に過度な影響を与えないように配慮したとみられる。

 政府に対する特別決議では▽国民世論の啓発や国際社会への情報発信▽研究機関設置などの体制強化と、島根県実施の調査研究への支援▽国際司法裁判所への単独提訴を含めた外交交渉▽政府主催の式典開催や「竹島の日」閣議決定|などを求めた。

 式典で丸山知事は、韓国政府による軍事訓練などは不法占拠を既成事実化しようとしているとし「日本政府が国際法にのっとり、冷静かつ平和的な解決を求めている中で極めて遺憾だ」と批判した。

 日本政府に対し「外交交渉の場で竹島問題が話し合われるよう強く望む」と述べた。韓国と話し合うには国際社会から理解と支持を得る必要があるとし、国際社会にこれまで以上に丁寧な説明や情報発信を展開するよう訴えた。

 平沼正二郎内閣府政務官は「韓国の不法占拠は決して容認できない。日本の立場を韓国側にしっかり伝え、粘り強く対応する。島根県民の思いを胸に刻み、情報発信を一層強化したい」と述べた。

 国会議員は代理2人を含む14人が出席した。山陰両県関係では、いずれも自民党の青木一彦参院議員(鳥取・島根合区選挙区)、舞立昇治参院議員(同)、高階恵美子衆院議員(比例中国)の3人が出席した。

 島根県警によると約30団体、約50人の右翼団体関係者が街宣活動を展開した。県警は近県からの応援を含めて約850人態勢で警備に当たり、目立ったトラブルはなかった。

 県は竹島編入告示100年を迎えた2005年、問題解決を訴えるために条例で2月22日を「竹島の日」と制定し、翌年から毎年式典を開いている。

(小引久実)