「LGBTQの話を入り口に、自分が何者なのかを知ることが大切」と話す松島彩さん=松江市千鳥町、ホテル白鳥
「LGBTQの話を入り口に、自分が何者なのかを知ることが大切」と話す松島彩さん=松江市千鳥町、ホテル白鳥

 性的少数者であることを公表し、本紙くらし面でLGBTQをテーマにしたコラムを連載している女優の松島彩さん(30)=松江市出身、広島市在住=が2日、松江市内であった自治労島根県本部の学習会で講演した。誰もが自分らしく生きられる社会の実現のために、一人一人が自分を知ることが大切だと訴え、自治労加盟の労働組合員約40人が聞き入った。

 性的少数者を含めて誰もが働きやすい職場づくりを考えるために開催した。

 松島さんは男女どちらにも当てはまらない、またはどちらも当てはまる「Xジェンダー」。講演では社会学者の森山至貴早稲田大准教授の著書「LGBTを読みとく」の内容について解説した。

 性的少数者を理解するには、良心ではなく正しい知識が大切だと説き「知識がないと無意識に人を傷つけ、〝普通〟という暴力が差別につながる」と強調した。

 性的指向や性自認が本人の同意なく暴露される「アウティング」の問題にも触れ、「自分が良かれと思ったことがアウティングになることがある。防ぐためには本人に確認することが大切」と丁寧な対応を求めた。

 松島さんは小さなコミュニティー単位では、性的少数者を含めて誰もが過ごしやすい環境をつくりやすいとアドバイス。「誰もが自分に対して『ダメだなぁ』と思う部分が、実は強みで個性かもしれない。自分は何者かを知ることが、他者を認めることにつながる」と訴えた。(大迫由佳理)