安来市加納美術館(安来市広瀬町布部)で開催中のリニューアル記念特別展「安来ゆかりの美術家たち」が反響を呼んでいる。市内の公共施設にある郷土ゆかりの作家の作品51点を並べたところ、開幕から3週間ほどで2千人以上が来場。作家の生家の場所が判明するなど貴重な情報も寄せられている。12日まで。会期中は入館無料。
6月19日の改装オープンに合わせ、市役所や交流センター、小中学校などが保管する美術品約500点を調査。陶芸家・河井寛次郎、彫刻家・米原雲海といった巨匠を含め39人の絵画、彫刻、陶芸、書などをえりすぐって展示した。
有名無名を問わず作品を選んでおり、当初は来館者の反応を心配したが、3週間で2千人以上が来場という盛況は、著名作家の企画展以外では珍しいという。
特別展を機に、作家に関する情報も多く集まった。戦後ブラジルに渡り成功した画家、故・吉留要さんが旧伯太町で小学校教員をしていた頃の教え子が来館したり、画家の故・細田喜道さんの生家が安来市植田町にあったと、訪れた親族の話で分かったりした。
千葉潮館長は「反響の大きさに喜んでいる。安来の芸術の深さと広さを改めて感じた」と話し、今回、紹介できなかった作品を披露する機会を今後検討する。 (渡部豪)












