厚生労働省は、ホームレスやネットカフェなどで寝泊まりする人への新型コロナウイルスワクチン接種を後押しするため、本人確認が円滑に進む工夫を9日付の通知で自治体に呼び掛けた。

 本人確認は打ち間違いを避けるのが目的で、運転免許証や健康保険証などが使われる。通知は、ホームレスらがこうした本人確認書類を所持していないことにより「受け付けが困難になっているケースがある」と指摘。「支援団体と協力し、接種機会の確保を図ってほしい」と求めた。

 具体的な事例として、接種券が届かないホームレスから再発行の申請があった場合に、運転免許証などの代わりとなる証明書を自治体が作成することなどを示した。

 支援団体との連携では、炊き出しなどの機会の活用を想定。自立相談支援機関の相談員が接種希望を聞き取り、代理で申立書に名前や生年月日を記し、本人の写真を添えて申請する方策などが検討されている。