「子どもの貧困対策推進法」の施行から10年。貧困状態の日本の子どもは「9人に1人」だ。数値の上では以前より改善したが、支援を続ける2人にその実感は乏しいという。6月の法改正を受け、国の対策に期待がかかる。実情を聞いた。

▼物価高で家庭の格差拡大 / 地方のように国も政策を

 認定NPO法人「キッズドア」理事長 渡辺由美子さん

 ―子どもの貧困が改善した実感はありますか。

 「統計上は改善したが、実感と懸け離れている。新型コロナ禍以降の物価高でむしろ悪化した印象だ。子育て世帯の二極化が進み、非正規労働の家庭と高収入の家庭の格差が広がっている」

 ―具体的にはどんな声が届きますか。

 「キッ...