「年も年で、もう相撲を取ることもない」。正三役大関を務める薬剤師宇野泰弘さん(43)は4年ほど前から相撲をやめていた。
 

 大規模な慶事に合わせて不定期で開催する隠岐古典相撲大会。2024年は、旧4町村が合併した島根県隠岐の島町の誕生20年の記念祝賀大会として開く。大会は12年7月以来、12年ぶりの開催となる。

 大会は伝統にのっとり大関が最高位となる。番付には正三役、番外、番々外と3種類の大関が存在する。このうち、結びの一番を務め、地域の期待を担う大役が正三役大関となる。
 

▽弟は地元力士、自身は柔道選手に


 宇野さんは相撲どころの五箇地区で育ち、小学校まで相撲を取ったが、中学校からは松江市に進学して柔道選手として活躍した。一方、弟の智博さん(41)は隠岐水産高校相撲部出身で地元力士としてのキャリアを重ね、07年の第13回大会で正三役大関を務めた。宇野さんも過去3回出場し、...