神経の異常でまぶたの開閉が自由にできなくなったり、極度のまぶしさで目が開けられなくなったりする「眼球使用困難症候群」と呼ばれる疾患がある。重度になると、一日中真っ暗な部屋で過ごし、外出も難しくなる場合がある。視覚障害と同じような状態だが、昨年以降、患者が国の障害年金を不支給とされるケースが相次いだ。なぜそんなことが起きたのか。根本には、「障害」を判定する仕組み自体の問題がある。(共同通信=市川亨)

 ▽最初の症状は目の乾き

 「今こうして話していても、目がしんどいです」。9月上旬、記者の取材に応じた茨城県の徳永公雄さん(60)=仮名=は伏し目がちに話した。

 徳永さんは大手企業の事務職として働いて...