鳥取県大山町退休寺の退休寺で8日、故人のほほ笑みを描く「笑う画アーティスト」の福留信子さん(53)=大山町高橋=が、指を使って描くワークショップを開いた。山陰両県から4人が参加し、故人の思い出話に花を咲かせながら画用紙に向き合った。
福留さんは「うまい・下手の定義を崩してもらいたい」と話し、家族の写真をテーブルに置き、手元のスケッチブックを見ずに下描きしてみるように呼びかけた。参加者は輪郭を描き上げると、色とりどりの水溶性パステルやソフトパステルを使い、水滴を落として指でにじませるなどして思い思いに表現した。
参加した松江市八束町の看護師渡部由美さん(53)は、約20年前に死別した祖母をオレンジや紅色で彩り、温かな人柄を表現した。子どもの頃に抱いてもらったことを思い出したといい「祖母が近くに来てくれた気がした。ぬくもりを思い出した」と喜んだ。
ワークショップは25日にも退休寺で午前10時からあり、当日まで参加申し込みを受け付けている。参加費は千円。問い合わせは福留さん、電話080(1934)6875。 (中村和磨)