道交法改正で2023年4月に自転車のヘルメット着用が努力義務化されたことを受け、松江署が24年11月に実施した意識調査で、松江市内の高校1年生の約9割が乗車時にヘルメットを着用しないと答えた。ルールは知っているものの、周りの目を気にしてかぶらず、学校側もルール化には及び腰。松江署は地道に着用を呼びかける。
調査は同署が市内13高校の1年生2099人を対象に初めて実施。1774人(84・5%)が回答し、着用の努力義務化について知っていると答えたのは90・1%に上った。
日常的に自転車を利用する1220人のうち、「着用しない」と答えた生徒は1056人(86・6%)。理由(複数回答可)は「周りがかぶっていないから」457人(43・3%)、「暑い」449人(42・5%)「髪が乱れる」415人(39・3%)などが挙がった。
「着用する」と答えた生徒は164人(13・4%)で、理由(複数回答可)は「自分の命を守るため」92人(56・1%)、「法律で定められたから」54人(32・9%)だった。
多くの高校で校則として定めていない中、回答した1774人のうち1318人(74・3%)が「校則があればかぶる」と答えた。
事故の際に頭部を守るヘルメットの着用について、島根県教育委員会も必要性を認める。
子ども安全支援室の高倉信明室長は、交通安全教室での注意喚起や部活動単位での積極的な着用など各校で対策を講じているとする。今後「各校で実情に合わせて着用を促す取り組みをしてほしい」と述べた。
ただ、法改正が努力義務にとどまり、罰則がない点や生徒の自主性を尊重する観点から校則で義務化するのは難しいという。市内の高校の教頭は「引き続き生徒には着用を呼びかけていくしかない」と述べた。
同署はJR松江駅西駐輪場(松江市朝日町)で高校生らにヘルメット着用などを求めるチラシを手渡した。
(松本ひろ)