
―大規模な食品展示会への出展が販路拡大へつながっているようですね。
商品のアピール機会の拡大と、販路開拓を狙って食品展示会への出展を続けてきました。その結果、特に海外輸出で成果が出ています。東アジアなどにオセアニアが加わり、今後は北米へのスポット販売が始まる予定です。
―自社商品に加えて、社の運営に関する取り組みが高い評価を得ています。
フライ系2商品が食の専門家が選ぶ「ジャパン・フード・セレクション」の食品・飲料部門で最高評価のグランプリに、女性活躍推進に積極的に取り組む企業を認定する国の2024年の『えるぼし企業』に、それぞれ選ばれました。分かりやすい形で自社商品のブランド力の強化につながり、社員120人のうち女性が半数以上を占め、管理職への登用も進む状況を広く知ってもらえる機会になっています。

―商品の改良や開発にも力を入れています。
「揚げる」といった調理に手間がかからない「即食」をテーマに、新商品の開発に力を入れています。製造ラインに新たなフライヤーを加えて、業務用のフライ商品を解凍後にすぐ食べられるよう改良しました。今後は小売り用も視野に入れています。スーパーマーケットなどで手に取ってもらえる商品を作るには、女性の目線を大切にすることが不可欠です。女性社員が多い社の強みを生かしていきたいです。
―1907年に創業し、100年以上続く江津市の老舗企業として誇りを持って続けてこられました
江津の地場企業として雇用を守るため、島根県外や海外からの「外貨」獲得が求められており、長年取り組んできました。国内では開拓余地がある東日本、海外は主要の東アジア以外に取り引きを広げていきたいと考えています。地域や国、販路ごとに品質や価格など求められる内容はさまざまです。要望や期待に応える商品づくりに注力していきたいと思います。


これから社会に出る皆さんは自分の仕事への適正について、まだ分からないと思います。 自分に対する思い込みや、それぞれの職種に対するステレオタイプのイメージで判断しない方が良いと思います。経験が少ない段階では、本当の自分の適正は分かりません。 自分には出来ないと思うことでも、実際にやってみると出来るということは沢山あります。 思い込みやイメージで自分の可能性を小さくするのではなく、いろいろなことにチャレンジして皆さんの可能性を広げてください。
住田真一=島根県江津市出身(46歳)2013年に現職に就任。 趣味は歴史の考察や小説の読書。特に歴史人物の考察は、最新研究に基づいた新たな解釈で従来の人物像と異なる姿を知り、それまでのイメージや常識が変わっていくのが魅力です。最近は、分国法の今川仮名目録を完成させた今川義元の統治能力の高さに驚きましたね。
